そもそもFender Espritとはなんぞや?
あまりにもEspritに関する資料がないので自分も確実な事はわからないですが、EspritはMaster Seriesと言われる一連のEsprit、Flame、D’Aquistoのモデルの一部だったようです。
さらにEspritにはStandard(今回自分が購入したもの)、Elite、Ultraの3種類が存在し、どうやらこの中のUltraがロベン・フォードモデルの元になったようです。(下記サイトより)
http://www.masterseriesguitars.com/
画像を上記サイトより引用させて頂いておりますが、EliteはStandardと比較するとインレイが異なり、ブリッジがファインチューニングタイプ、ボディバインディングが5プライ、コイルタップが付くなどの違いがあります。
これまた上記サイトより引用させて頂いておりますが、Ultraはインレイがブロックタイプ、ボディのバインディングが7プライになりEliteと同じくブリッジがファインチューニングタイプでゴールドクローム、コイルタップ有りとなっています。
なおFlameはEspritとほぼ同じ見た目ながらツノの長さが左右で異なり、ボディ幅が少し狭いものです。思うにFlameはEsprit以上に国内では探しにくいかもしれません。
(画像を上記サイトより引用)
1984-1988 FENDER FLAME STANDARD
なお、上記サイトにはタイムライン(製造の歴史の流れ)の紹介もあります。
(画像は上記サイトより引用)
それによると、83年にUltraのプロトタイプが日本で製造され、84年に生産が開始。87年にFenderの新経営チームがロベンフォードモデルの製造を日本で開始。これらのベースはEsprit Ultraだったとあります。
88年にロベン・フォードがTalk to your daughterをリリース。ここで初めてロベン・フォードがカスタムショップモデルを使用し、88年のGuitar Player Magazineに詳細が記載されているとのこと。読みたい。。89年にロベン・フォードのシグネイチャーモデルが$1,499でカタログに載り、1993年が日本でロベン・フォードモデルが製造された最後の年となったようです。
94年からロベン・フォードモデルの製造はアメリカのカスタムショップに移り、3つのモデル(Ultra FM:フレームメイプルトップ、Ultra SP:スプルーストップ、Elite FM:フレイムメイプルトップ、ソリッド・マホガニーbody)が製造され、2002年に製造が中止されたようです。
2005年にダン・スミスの手によって韓国製として復活。ボディとネックはマホガニー製。トップは3〜4ピースのマホガニー製。なお、ボディ裏にはコンター加工はないようです。
自分の購入したStandardは元オーナーによると85年製ということで、上記サイトのシリアルナンバー情報の情報からも85年製のようです。このシリアル情報のページによるとMaster Seriesは少なくとも83年から85年の間に少なくとも3,665台製造されたとあります。(※ちなみにシリアルは8桁。仮にシリアルが40300624だとして、読みかたは、最初の1文字が年号、続く2文字が製造月。続く5文字がナンバリング。)
海外のフォーラムや国内のサイトでもEliteとUltraをStandardと混同していたり、カスタムショップ製のUltra FMとUltraの混同などが見られますが、長いフェンダーの歴史の中でもマニアックすぎ、かつ個体数の少ないギターだから仕方ないといえば仕方ないですかね。。