guitar maniacs

Fender Esprit、その他ギター改造などに関するマニアックな話

ロベン・フォードの日本公演(11/19 コットンクラブ)に行ってきた

見逃すと次にいつ見られるかわからんくなるということで、ロベン・フォードの日本ツアー行ってきました。行ったのは恐らく最終公演となる11/19の日曜日。コットンクラブの1st stage。

 

ロベンは今回サックス2人、サイドギターを引き連れての6人編成(ロベン、サイドギター、ベース、ドラム、サックス✕2)でした。使用ギターはゴールドのレスポールが2本で、1本は恐らくビンテージのゴールドトップ、そしてもう1本は1952年製のオールゴールドのP90搭載のレスポールを使用していました。何しろステージ登場時、退場時も大事そうに自分でギターを運んでましたし、絶対誰にも触らせたくないんでしょう。

f:id:teletele916:20171123154243j:plain

ちなみにこの1952年製のレスポールにのみ採用されているブランコテールブリッジ(正式にはトラピーズ・テール)は、レスポールが考案したと言われるものですが、ツアーなどで忙しかったレスポールとギブソンの意志疎通が取れておらず、本来は1953年製から採用されたバーブリッジ・テールピースのようにブリッジの上を弦が通るスタイルではなく、この写真でもわかるようにブリッジの下を弦が通るスタイルのため、ブリッジミュートがしづらく、ブリッジとナットを結ぶ弦の角度が浅く、レスポールの好みではなかったと言われています。

おそらくそれもあって1953年からバーブリッジ・テールに変更になったのではないかと。。

 

肝心のプレイですが、ソロを取る時は何らかのブーストペダル的なものを踏んでおり(※多分Zen Driveとか。席が遠いのでよくわからず。。)、Vibe、オクターバーか何かをかます事で独特なサウンドでソロを取る時もありました。エレクトリック・チェンバロとでも言えるような音色だと感じましたが、この人の中では今この音が熱いんでしょう。

 

今回はSGか何かを使うのかと思っていたので、レスポールを使用していたのは少々驚きだったのと、以前は多用していたボリューム奏法が一度もなかったのも新鮮。ロベンのギターはもちろん素晴らしかったですが、リードとバッキングの際のエフェクター切り忘れ、Indianolaで若干指がもつれる、ボーカルのピッチが少しだけ甘い部分もあるなど、流石に誰しも衰えるのだなというのを感じました。

 

まぁ、これは自分の普段の愛聴盤がThe Yellow Jacketsのライブ音源とかだから仕方ないでしょう。正直なところ、ベースのライアン・マドラをロベンがなぜ選んだのか良くわからんなーというのと、サイドギターは完全にいらなかったと感じました。

 

席の関係もあるんでしょうが、ベース、そしてドラムのバスドラの音がでかすぎて、自分のいた自由席では音が回ってしまっていました。とにかくベースの音量がでかすぎたせいで、全ての音がその中に埋もれてしまっていたのは実に残念。サックスの2人の日本人である小池修、かわ島崇文さんは素晴らしいプレイでした。

 

値段はそこそこしますが、奮発してライブに行って確かに良かったと思う反面、せっかくならJing Chiでツアーに来て欲しかったというのが正直なところ。マニアック過ぎてチケット売れないのかもしれませんが。。

 

なお、マニアックな話題として1952年製と1953年製の違いについてはこちらが詳しいです。↓

www.j-guitar.com

 

 なお、1952年製の素の音がわかりやすい動画はこちら↓

動画の中でのロベン本人の解説によると、トラピーズテールはオリジナルを残しており、このギターにはカスタムメイドのバーブリッジと同様に弦がブリッジの上を通るものを装着しているとのこと。ナッシュビルのジョー・グレイザーさんという職人の手によるものだということです。本人も、オリジナルのトラピーズは「ビンテージとしてはいいけど、実用性はない」としています。